北海道旅行記 Part1

2011/2/9 水曜日

5:30 家を出て高速バスで羽田へ

雨と霰の中間のような冷たい塊が、ポツポツと落ちてきている。北海道に行くまでもなく寒い。冬に北海道に行くことに、少し後悔し始める。空港のスタバで、出発前に軽い朝食。ほうじ茶ラテにティーパックが入ったままだったのが、店員のミスかと思った。後で調べたらそれがデフォだったらしい。良かったw
出航15分前にゲートをくぐり、少しバタバタ。国内線でも飛行機には余裕持って乗った方が良いのですね。


8:00 羽田空港出発

乗ったのはJAL。会社そのものが墜落しそうだったけど大丈夫か。飛行機は三菱重工製だった。友達がいるのは原発方面らしいから関係ないのかな。
というか、記憶の中では初の飛行機搭乗だった訳で。飛行機が動き始めてからはかなり緊張。何故飛べるのか解っていないものに乗り、命を預ける恐怖。周囲の乗客はどうして平然としていられるのだろう。飛行機で1時間空を飛ぶのと、日本で1時間車を走らせるのは、どちらの方が統計的に死亡率が高いのだろう。飛行機のあの車輪は、本体の大きさに対してとても脆弱に見えるが、アレで離陸速度まで加速して大丈夫なのか。そもそも、映画やドラマなどの作品は飛行機は飛行機事故の恐怖を煽りすぎだろう。俺が見たことのある機内の映像は、乗客がパニックに陥るようなものがほとんどだった。でも『沈まぬ太陽』はよくすごかったなぁ、実際にもあんな雰囲気の会社なんだろうなぁ。などなど、最終的には「日本の技術は世界一ぃぃぃいいいいいいいい!!!!!」と心中錯乱しながら、外面は冷静を保ちながら、離陸の瞬間を迎える。

しかし結局、自分の中の恐怖心は確率論的な話であって経験的なものではなかったので、実際に飛んだ時の加速度はそれほどのものではなかった。加速度も揺れも、子供用のジェットコースター程度。「墜ちるかも知れない」ということさえ意識しなければ、どうってことはない。足下がスケルトンになっている趣味の悪いどこぞの観覧車よりマシだ。
それよりもやはり、雲の上に出た瞬間の景色を初めて見た感動の方が大きかった。雲の下は雨でも、その上は綺麗に晴れ渡っていて、蒼と白のコントラストが気持ちいい。何か哲学的に深遠な教訓を見出したくなる。


9:30 釧路空港到着

「前田さん(機長)がんばれ!!!!!!」の怨念が届いたのか、無事に定刻に釧路に到着。釧路の気温は-6度とのアナウンス。流石北海道!
回転寿司のようなベルトに乗って出てくる荷物を捕獲し(なんかシュールw)、空港を出る。外に出た瞬間には、意外に寒さを感じず、戸惑った。風がほとんど吹いていないからだろうか。そして釧路空港の正式名称は「たんちょう釧路空港」。こういうアピールは意味あるのかな。レンタカーを借りて、最初の目的地である納沙布岬を目指して走り出す。


11:00 厚岸

道路にはあまり雪もなく、快適に車を走らせる。信号機は雪国仕様の縦型で、道路の脇にはサイドラインの位置を示す矢印の標識が数十メートル(?)置きに立っている。後者の標識については、初めて見るものだった。そんな景色からも北海道を実感する。今回の旅程はかなり強引なので、とりあえず天候に恵まれて本当に良かった。道路の左側には謎の柵が続いている部分があったが、何のための設備だったのだろう。

途中、厚岸の道の駅で昼食をとった。建物に入ると、無料で浅蜊の味噌汁を配っているので有り難くいただく。薄味だが浅蜊の出汁が非常に良く出ていて美味だった。2階のレストランでは、名物だという生牡蠣と海藻ポークの豚丼をいただく。美味。海藻ポークってのは、海藻を食べて育った豚なのだろうか。


13:00 根室納沙布岬


「ようこそ根室市へ」を超えたあたりから、なんとなくキナ臭くなってくる。「北方領土は日本固有の領土です」を告げる看板が盛んに目に入る。根室市役所の前にも大きな看板があった。更に気になったのが、交差点などの表示に、英語ではなくロシア語訳が附記されていること。交易などで上陸するロシア人が多いのか、親善をアピールするパフォーマンスなのか。何にせよ、不思議な雰囲気が漂う町だった。こういう部分というのは、実際に行って、肌で感じないと絶対に解らないものだ。多少無理をして納沙布岬を目的地に組み込んで良かった。そして納沙布岬に到着。折しも、7日の「北方領土の日」の2日後である。岬には観光客らしき西洋人の団体以外、人影はあまり見なかった。周囲のモニュメントや北方館をゆっくり見学できた。北方領土云々については、別で書かなくては。


18:00 川湯温泉

当たり前だが、北海道所管の道路は道道というらしい。面白。道中も非常に北海道らしい景観を堪能しながら、一路川湯温泉へ。昔は硫黄の採掘も盛んだったという硫黄山も近くにあり、温泉周辺の町には特有の腐卵臭が満ちている。日が暮れてから到着し、泊まったのは「名湯の森ホテル きたふくろう」。部屋の窓からは白樺の林が見渡せ、林に積もった雪には動物の足跡がチラホラ。少し前のドラマ「優しい時間」を思い出す風景に心が和んだ。料理は美味しかったが、刺身についてきた山葵が乾燥してたぞw
ホテルの温泉は12時で男女が入れ替わる大浴場が一つ。夜と朝で両方制覇。ドアを開けて脱衣場から浴場に入った瞬間に、すごい硫黄臭がする。臭いもすごいが、味も酸っぱいとしょっぱいの中間のような感じで、今までに入った温泉の中で泉質としては最もインパクトがあったように思う。露天風呂は白樺の林に面しており、開放感があって良かった。また、源泉掛け流しで加水も加温もしていないという掲示があったが、そのためか温度は少し低め(42度くらい)。ホテルの公式ウェブサイトによると、源泉温度が50度でpHが1.8(!)。納得ですw

そのまま、幸せな気持ちで就寝。一日目の移動距離は320kmくらい。東京から名古屋くらいかw