オンラインカンニングの報道

京大入試での発覚から始まった一連のYahoo!知恵袋でのカンニング報道。

最初に新聞紙面に載ったのは、2月27日(日)の朝刊だった。読売新聞ではトップ記事の扱いで、ご丁寧にYahoo!知恵袋の画面キャプチャまで(かなりの大きさで)載せて、一面の半分を割いて報じていた。産経新聞では一面に記事はなかった(と思う)。

しかしこの時点では、ただの1件のカンニングが発覚しただけである。全国紙の朝刊で1面トップ扱いにしてデカデカと報道するほどのニュースなのかと疑問に思った。マスコミがネットを槍玉に挙げる新しいネタを見つけて喜んでいるようにも見えた。産経は全部読んでいないが、読売新聞では社会面で「専門家の意見」として情報系の研究者の言葉を並べ立てていたが、これはそんなに専門的なハイテク技術を駆使した事件ではあるまい。兎に角ネットは危ない、ネットは怖いと吹聴しただけじゃないのか。しかもその後の報道で、同志社や立教や早稲田などでも同様のことが発覚したらしいが、同じアカウントからの投稿なのにこの報道のタイムラグは何なんだろうw。専門家の意見を聞きに行く前に出来る調査が色々あるだろうに。

翌日28日は、読売も産経も一面トップでこの事件の続報を報じていた。ここでは複数の大学に事件が渡っており、各大学の対応なども発表されていたので幾ばくかのニュースバリューがあるのは、分からないではない。それでも中東もアジアもNZも内政も混乱にある中にあって、大声でわめくほどのことでもないとは思うが。パンダ来日よりはマシかw

そもそもこれがこんなに大ニュースになるなら、県千葉生の東工大受験に関する云々もアレだし、京都産業大学の何某が卒論を流用で済ませたという件も日本の学士の質崩壊の一助だし、もっと問題意識を持つなら大学教育の無気力が大変だろう。勝谷誠彦がよく言ってる「日本の大学は半分に減らせ」という論も、ものの道理を考えればあながち暴論ではないはず。

それにしても本当に起こるべくして起こった事件だよなあ。こういう部分は、受験生の良心にだけ頼っている運営側にも大きな責任がある訳で、試験の公平性を担保するのは各大学の役目でしょう。ケータイ持ち込み禁止ぐらいはいつでもできただろうに。

あとは、ここまで大きな話題になって自主しない受験生というのもなかなかの胆力だという気がするw。カンニングが発覚した時点で犯人が割れるのは時間の問題なんだから、小心者の一般人だったら、怖くなって出頭してきそうなもんだが。インフルエンザにでも罹って寝込んでるのかな。

パラノーマル・アクティビティ2

http://www.paranormal2.jp/
横浜ブルク13にて。丁度一年前に前作を観に行ったが、それも確か横浜だった気がするな。相変わらず低予算なんだろうし、前作がヒットしたから作らざるを得ないんだろうなぁ。と、全く期待せずに行ったのが良かったのか、そこそこ吃驚させてもらえた。

内容は、舞台を同棲カップルの家から子持ち家族の家に移した焼き直し。ホームビデオと監視カメラの映像を継ぎ接ぎして不思議映像と吃驚映像で観客を驚かせる。赤ん坊や犬などをキャスト(小道具?)に取り入れたのは前作にはなかった部分だが、基本的には同じような展開で物語は進む。この家族の母親が前作の彼女の妹という設定になっており、映画のラストでは前作の冒頭部分につながる。この前作の設定を伏線に使っていた辺りは、そこそこ頑張っていたと思う。どうやら3作目も作るみたいだし。

この手法を見慣れてしまったからかも知れないが、状況を不自然に見せない努力が少し足りなかったように感じた。長女が彼氏と一人で電話をしている場面がわざわざ撮影されていたと、「ホームビデオでそのシーンまで回すのかよw」という部分が所々で目に付いた。そもそも導入部分での「空き巣に入られたから家中に監視カメラを仕掛ける」という発想が既に違和感でもあった。一度空き巣に入られたくらいで監視カメラ設置というのは大仰だし、階段や玄関など家の隅々まで映像を記録する理由としては、かなり弱い。

あとはサブリミナルの一種なのかどうか分からないが、怪現象シーンの直前になると不気味な重低音が流れ出す。観客の不安(期待?)を煽るものだと思う。監視カメラに収録された異音の体なのだろうが、これがちょっと露骨だったのが気になった。あまり覚えていないけど、前作でも同じような手法はあったように思う。

それなりに楽しめたけど、やっぱりお化け屋敷型よりもジャパニーズホラー型の映画の方が好きだな。

三省堂書店 千葉そうごう店


千葉そごう9階の三省堂書店。有名な本屋だし、度々通っているがある気がしていたが、実はあまり行ったことがないことに気付いた。Wikipediaを見ると、創業は1881年明治14年)。そんなに歴史ある本屋だとは知らなかった。創業者・亀井忠一は日本の辞書の礎を築いたという。へー。
そごう千葉店の9階には他にも様々な店が入っているが、「こだわり趣味の街」と称してレトロな外観に統一されている。三省堂の外側の壁も赤煉瓦造りのような見た目になっている。

そんな三省堂のこの店舗は、千葉の本屋の中ではそこそこ広い方だと思う。入り口はいくつもあるが、店内入ってすぐの所に『ニーチェの言葉』の大きなポップが置いてある。他の本屋では見たことがないものだ。かなり丁寧な作りに見えたが、手作りなのかな。ちゃんと立ち読んだことないけど、面白いのかな。先にニーチェ入門読まなきゃ。

また店舗中央奥には、「えほんのひろば」という名前で児童書コーナーが設けられている。他の店でも思うが、児童書コーナーの本棚は大胆に低くすればいいのに。棚の上の方に絵本が展示してあったが、ママさんですら見辛い位置だったのではないか。

更に「ブックス&カフェ」という店が併設されており、美味しいコーヒーを飲みながら柔らかい椅子でゆっくり本を読める。uccのロゴが大きく出てたのは何なんだろ。

書籍の検索システム。割りと使い易い。本の詳細のページまで進むと、表紙の画像や目次なども見れるのは面白い。地図による店舗内の場所表示はない。しかし本棚に通し番号が付いていて分かり易かった。国内の書籍のオープンな総合的データベースを、誰か作らないのかな。

ケータイ用の在庫検索サイトもあるようだ。iPhoneQRコードを読み取るアプリを入れてなかったので試すことができなかった。この店に限らないけど、QRコードはもっと大きく、スキャンしやすい位置に貼り出すべき。


・驚いたことに、電撃文庫を始めとするライトノベルの類が一切置かれていなかった。狼と香辛料の最新刊買いたかったのに。今時、ラノベは売れ筋の一つだと思うんだが、そごうの客層にはマッチしないのかな。
三省堂は店舗ごとにブログがあり、イベントなどの情報発信をしているらしい。のぞいてみると、ちょいちょい作家なども呼んでいる。やっぱり千葉駅周辺では最大なのか?

村上たかし『星守る犬』

星守る犬

星守る犬

「人間」の定義の一つとして、「嘘を吐くもの」という考え方はできないかと思うことがある。Wikipediaの「嘘」のページの「動物の嘘」の項目によると、霊長類は嘘であると自覚しながら嘘を吐くことがあるらしい。その意味では、むしろ嘘を吐く霊長類を少し広い意味での人間に含めてしまっても構わない。精神構造として、社会構造として、「嘘」が存在し得る生き物こそが「人間」であると考えられないだろうか。
対して、動物や子供というのは無邪気だ。読んで字の如くだが、邪な気が無い。知能や知識が「人間」よりある意味で劣るからこその無邪気さではあるが、だからこそ「人間」は、彼らに心を許し、無邪気に愛することができるのだろう。

この漫画は、そんな無邪気な犬と完全に二人だけの世界を構築できた、せざるを得なかった、或るおとうさんのお話。今際の際に際して、おとうさんの世界はどのようであったか。セカイ系とは一味違う終末感。大好きな感触でした。泣きはしなかったけど。
今までに小動物は様々に飼ったことがあるが、犬は飼ったことがない。この作品は、きっと本当の犬の無邪気さを実感として知る人には、更によく響くのだろう。基本的に原作至上主義者だしアンチメディアミックスではある。しかし、程良い短さと、シンプルだけど静謐な美しさが漂うこのロードムービーは、丁寧に映像化すれば良い作品になる気がする。しかも主演のおとうさん役が西田敏行とは…。ぴったりです。。珍しく映画化に期待。

北海道旅行記 Part4

2011/2/12 土曜日

9:00 札幌雪まつり

この日も非常に天気が良い。昨日は少ししか見なかったので、雪まつり会場の大通り公園を一通り見て回る。大通り公園の中心辺りでは、雪像よりも様々な飲食の屋台の数の方が多い。25年前の雪まつりを知る母曰く「昔はこんなに屋台とかがなくて、一般人の作った雪像がたくさん並んでいた」らしい。祭りも観光地も、商業化され過ぎると趣を失ってしまうものです。雪像のテーマとしては、卯年に纏わるもの、ワンピースやトイ・ストーリーのキャラが多かった。サザエさん御一家は巨大だったw

批判しつつも屋台で美味いもんを色々食ったあとは、噂の時計台と、両親が微妙に縁ある北海道大学をチラ見した。時計台は、観光スポットがっかり大賞の名を欲しいままにしているらしいが、そのことで余計な期待を抱かずに済んだのか、それなりに綺麗で迫力あると感じた。皆はロンドンのビッグ・ベンのようなものを想定して見に行くのだろうか。
筑波とか広島が広い(そして高自殺率)という話はよく聞くけど、北大もかなり広い。動物のお医者さんとかクラーク像とかポプラ並木とかノーベル賞とか(?)、大学自体がある種の観光スポットになってるのが面白い。そういえば夏はビアガーデンもやってるんだっけ。


11:00 大倉山ジャンプ競技場

札幌市街地から少し離れて、オリンピックの会場だったというスキージャンプの競技場へ。リフトでスタート地点まで上がってみて、その景色に驚く。ジャンプ台の前方には札幌の街が広がっており、それに向かって飛び出す感じになっている。同じくオリンピック会場であった白馬ジャンプ競技場は山に向かって飛び出すような印象だったが、これはこれで面白い。また、白馬は柱の上にジャンプ台の頭が乗っている構造で不安定この上なかったが、大倉山は山の斜面に沿ってジャンプ台が作られているので安定感も安心感も◎
競技場の下の方では橇などで斜面を滑り降りて遊べるコーナーなどが無料で設けられていた。雪まつりに合わせてやってんのかな。


13:00 札幌中央卸売市場

最後に北海道の海の幸を食べ収めるべく市場へ。昨日の会食で食べさせて貰った捌かれる前の八角も発見。隣には謎の怪しい魚も。一番手前の店「北のグルメ」で遅めの昼食として時鮭とイクラの親子丼を食す。うまかった。店内には著名人のサインなどが鈴なりになっていた。


17:00 新千歳空港

食べた後は新千歳空港へ。レンタカーを返却し、空港内の店でお土産を買い込む。往路の教訓を活かして早めに飛行機に乗り込む。行きの飛行機よりかなり大きいものだったので揺れは小さいかもしれない、と思っていた。二度目のフライトは心にだいぶ余裕もあった。しかし着陸前に雪雲があるので多少の揺れが予想されるとアナウンスが入る。機内に(?)緊張が走る。関口機長マジがんばれ。やはりその呪怨が効いたのか、いくらかの揺れはあったものの、無事に着陸。窓際ではなかったので外は見えなかったが、モニターには外の様子が映像で映し出されていた。大崎善生の『ランプコントロール』を思い出しながら、それを眺める。確かに飛行機を導く光の列は雨にも濡れて情緒的で、印象的な画だった。始めは真っ直ぐに誘導する光の筋も、乗降口に着くまでに蛇行し、交差する。そんなことにも気付いて、1人感慨に耽っていた。
回転ベルトから荷物を拾い上げ、羽田空港から外に出た。雨とともに冷たい風が吹いており、体感では北海道に劣らぬ寒さだったw


最終日の移動距離は70kmくらい。東広島市から山口県に入った辺りまでか。3泊4日の1回の旅行で、東京から山口まで移動したことになりますね。でっかいどーの広さは半端ではなかったようです。
それにしても4日間とも、天候に恵まれて本当に良かった。ある意味では本当の北海道を知ることができなかったのかもしれないけれど、それはそれで幸せだったんじゃなかろうか。さて、いろいろ復習しなくては。


最後にどうでも良いネタ。北海道でまちつく!のスタンプもかなり貯まりホクホクしていたが、こんなのがあった。賞味期限の切れていないお菓子を食べる人で人口が増えます。こういうブラックユーモアは好きだw
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/20070830gr03.htm

北海道旅行記 Part3

2011/2/11 金曜日

8:00 層雲峡氷瀑まつり

3日目の朝。ホテルの外にはハローキティの雪だるまが鎮座している。こういう場合の著作権はどういう扱いなんだろう。外気温は-14度。しかしここでも幸いなことに、風は弱く、実際の気温ほどの寒さは感じない。カレーの5辛と10辛の違いが分からないように、氷点下も5度と15度の違いは感じられないのだろうか。人間の五感の感度は対数関数的に変化すると聞いたことがある気もする。


山間の川沿いでは、ちょうど氷瀑まつりの開催期間だった。夜のライトアップは見に行かなかったが、層雲峡を発つ前に少し寄ってみる。会場内には旅行会社や地元企業などの協賛で、氷のかまくらが多数並んでいる。それぞれのかまくらの中には氷のオブジェがあり、賽銭のつもりなのか、沢山の硬貨が氷に貼り付けられていた。どのような制作過程なのか分からないが、かまくらの氷の中にはホームセンターで売っているような網が見られた。会場の奥には大きな氷の建造物があり、中は鍾乳洞のようになっていた。全長100メートルはあると思われる氷の迷路の中は幻想的だが、足下に注意しないと滑りそうになる。氷が青みがかって見えるのは、自然のものか着色されたものなのか。


10:00 旭山動物園

その後は、かの有名な旭山動物園に行った。『あらしのよるに』などで有名な絵本作家・あべ弘士はこの動物園の飼育係をしていたらしい。到着すると丁度ペンギンの散歩の時間だった。一通り見て園を出たが、札幌雪まつりの影響か、やはり人がとても多い。雪が積もった園内は、夏に来ればまた違う印象を抱くことだろう。非常にユニークなポリシーを持った動物園で、園の運営自体に興味を持った。これも別で書こうと思う。

動物園を出たあとは、ラーメンデータベースで旭川市の首位だった「橙ヤ 本店」で遅い昼食をとり、今回の旅行の最終目的地である札幌へ向かった。

17:00 札幌

今回初めて高速道路も使い、凍結防止剤散布車にパチパチとやられながら、スムーズに札幌入り。ギリギリの所で確保できた宿「中殿ホテル」は大通り公園の中心部から徒歩1分。フロントのおばあちゃんは、もう半世紀も前からホテルをやっているらしい。広くはないが、風呂とトイレが別だったのが良かった。予約制の貸し切り風呂もあるとのこと。

荷物を置いて街へ出た。相変わらず風はなく、さほど寒さを感じない。天候に恵まれて本当に良かった。夜空には、星や月も控えめに輝いていた。少しだけ雪まつりを見て回った。時事ものや、中国韓国ネタなど、色々なことを考える。ある雪像の説明は、日本語・英語・中国語(繁体字簡体字)の4カ国語で書かれていた。なるほど。
その後札幌駅まで歩き、札幌にいる学部時代の友人と久しぶりに会い、呑んだ。八角やほっけの刺身、じゃがいも、とうきび、ラムなどなど、北海道の美味をこれでもかというくらい食わせてもらった。刺激的で良い話が聴けた。社会見学しなきゃ。


日付が変わる前に宿に戻って就寝。3日目の移動距離は210kmくらいか。姫路から広島の手前辺りまでかなw

北海道旅行記 Part1

2011/2/9 水曜日

5:30 家を出て高速バスで羽田へ

雨と霰の中間のような冷たい塊が、ポツポツと落ちてきている。北海道に行くまでもなく寒い。冬に北海道に行くことに、少し後悔し始める。空港のスタバで、出発前に軽い朝食。ほうじ茶ラテにティーパックが入ったままだったのが、店員のミスかと思った。後で調べたらそれがデフォだったらしい。良かったw
出航15分前にゲートをくぐり、少しバタバタ。国内線でも飛行機には余裕持って乗った方が良いのですね。


8:00 羽田空港出発

乗ったのはJAL。会社そのものが墜落しそうだったけど大丈夫か。飛行機は三菱重工製だった。友達がいるのは原発方面らしいから関係ないのかな。
というか、記憶の中では初の飛行機搭乗だった訳で。飛行機が動き始めてからはかなり緊張。何故飛べるのか解っていないものに乗り、命を預ける恐怖。周囲の乗客はどうして平然としていられるのだろう。飛行機で1時間空を飛ぶのと、日本で1時間車を走らせるのは、どちらの方が統計的に死亡率が高いのだろう。飛行機のあの車輪は、本体の大きさに対してとても脆弱に見えるが、アレで離陸速度まで加速して大丈夫なのか。そもそも、映画やドラマなどの作品は飛行機は飛行機事故の恐怖を煽りすぎだろう。俺が見たことのある機内の映像は、乗客がパニックに陥るようなものがほとんどだった。でも『沈まぬ太陽』はよくすごかったなぁ、実際にもあんな雰囲気の会社なんだろうなぁ。などなど、最終的には「日本の技術は世界一ぃぃぃいいいいいいいい!!!!!」と心中錯乱しながら、外面は冷静を保ちながら、離陸の瞬間を迎える。

しかし結局、自分の中の恐怖心は確率論的な話であって経験的なものではなかったので、実際に飛んだ時の加速度はそれほどのものではなかった。加速度も揺れも、子供用のジェットコースター程度。「墜ちるかも知れない」ということさえ意識しなければ、どうってことはない。足下がスケルトンになっている趣味の悪いどこぞの観覧車よりマシだ。
それよりもやはり、雲の上に出た瞬間の景色を初めて見た感動の方が大きかった。雲の下は雨でも、その上は綺麗に晴れ渡っていて、蒼と白のコントラストが気持ちいい。何か哲学的に深遠な教訓を見出したくなる。


9:30 釧路空港到着

「前田さん(機長)がんばれ!!!!!!」の怨念が届いたのか、無事に定刻に釧路に到着。釧路の気温は-6度とのアナウンス。流石北海道!
回転寿司のようなベルトに乗って出てくる荷物を捕獲し(なんかシュールw)、空港を出る。外に出た瞬間には、意外に寒さを感じず、戸惑った。風がほとんど吹いていないからだろうか。そして釧路空港の正式名称は「たんちょう釧路空港」。こういうアピールは意味あるのかな。レンタカーを借りて、最初の目的地である納沙布岬を目指して走り出す。


11:00 厚岸

道路にはあまり雪もなく、快適に車を走らせる。信号機は雪国仕様の縦型で、道路の脇にはサイドラインの位置を示す矢印の標識が数十メートル(?)置きに立っている。後者の標識については、初めて見るものだった。そんな景色からも北海道を実感する。今回の旅程はかなり強引なので、とりあえず天候に恵まれて本当に良かった。道路の左側には謎の柵が続いている部分があったが、何のための設備だったのだろう。

途中、厚岸の道の駅で昼食をとった。建物に入ると、無料で浅蜊の味噌汁を配っているので有り難くいただく。薄味だが浅蜊の出汁が非常に良く出ていて美味だった。2階のレストランでは、名物だという生牡蠣と海藻ポークの豚丼をいただく。美味。海藻ポークってのは、海藻を食べて育った豚なのだろうか。


13:00 根室納沙布岬


「ようこそ根室市へ」を超えたあたりから、なんとなくキナ臭くなってくる。「北方領土は日本固有の領土です」を告げる看板が盛んに目に入る。根室市役所の前にも大きな看板があった。更に気になったのが、交差点などの表示に、英語ではなくロシア語訳が附記されていること。交易などで上陸するロシア人が多いのか、親善をアピールするパフォーマンスなのか。何にせよ、不思議な雰囲気が漂う町だった。こういう部分というのは、実際に行って、肌で感じないと絶対に解らないものだ。多少無理をして納沙布岬を目的地に組み込んで良かった。そして納沙布岬に到着。折しも、7日の「北方領土の日」の2日後である。岬には観光客らしき西洋人の団体以外、人影はあまり見なかった。周囲のモニュメントや北方館をゆっくり見学できた。北方領土云々については、別で書かなくては。


18:00 川湯温泉

当たり前だが、北海道所管の道路は道道というらしい。面白。道中も非常に北海道らしい景観を堪能しながら、一路川湯温泉へ。昔は硫黄の採掘も盛んだったという硫黄山も近くにあり、温泉周辺の町には特有の腐卵臭が満ちている。日が暮れてから到着し、泊まったのは「名湯の森ホテル きたふくろう」。部屋の窓からは白樺の林が見渡せ、林に積もった雪には動物の足跡がチラホラ。少し前のドラマ「優しい時間」を思い出す風景に心が和んだ。料理は美味しかったが、刺身についてきた山葵が乾燥してたぞw
ホテルの温泉は12時で男女が入れ替わる大浴場が一つ。夜と朝で両方制覇。ドアを開けて脱衣場から浴場に入った瞬間に、すごい硫黄臭がする。臭いもすごいが、味も酸っぱいとしょっぱいの中間のような感じで、今までに入った温泉の中で泉質としては最もインパクトがあったように思う。露天風呂は白樺の林に面しており、開放感があって良かった。また、源泉掛け流しで加水も加温もしていないという掲示があったが、そのためか温度は少し低め(42度くらい)。ホテルの公式ウェブサイトによると、源泉温度が50度でpHが1.8(!)。納得ですw

そのまま、幸せな気持ちで就寝。一日目の移動距離は320kmくらい。東京から名古屋くらいかw