村上たかし『星守る犬』
- 作者: 村上たかし
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2009/07/07
- メディア: 単行本
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対して、動物や子供というのは無邪気だ。読んで字の如くだが、邪な気が無い。知能や知識が「人間」よりある意味で劣るからこその無邪気さではあるが、だからこそ「人間」は、彼らに心を許し、無邪気に愛することができるのだろう。
この漫画は、そんな無邪気な犬と完全に二人だけの世界を構築できた、せざるを得なかった、或るおとうさんのお話。今際の際に際して、おとうさんの世界はどのようであったか。セカイ系とは一味違う終末感。大好きな感触でした。泣きはしなかったけど。
今までに小動物は様々に飼ったことがあるが、犬は飼ったことがない。この作品は、きっと本当の犬の無邪気さを実感として知る人には、更によく響くのだろう。基本的に原作至上主義者だしアンチメディアミックスではある。しかし、程良い短さと、シンプルだけど静謐な美しさが漂うこのロードムービーは、丁寧に映像化すれば良い作品になる気がする。しかも主演のおとうさん役が西田敏行とは…。ぴったりです。。珍しく映画化に期待。